「カールステン・ニコライ:Parallax パララックス」
いちはらアート×ミックス2017の関連展示として、市原湖畔美術館でカールステン・ニコライの展示があり、最高だったので書き残しておきます。
個人的には、現代アートの文脈ではクリスチャン・ボルタンスキー、ジェームズ・タレルと並ぶくらい好物です。
カールステン・ニコライはAlva Noto名義で音楽活動も行なっており、ジャンルとしては実験音楽とかエレクトロニカとかそんな感じです。坂本龍一と一緒にごにょごにょしていたりもします。なおこの記事はAlva NotoのUnivrsというアルバムを聴きながら書かれているため、テンションがおかしくなる箇所があるかもしれませんし、無いかもしれません。不思議ですね。
「カールステン・ニコライ:Parallax パララックス」@市原湖畔美術館
2017.03.18. Sat. – 05.14. Sun. カールステン・ニコライ:Parallax パララックス | 市原湖畔美術館/ICHIHARA LAKESIDE MUSEUM
展覧会が開かれている市原湖畔美術館は、新宿からバスで70-80分くらいかけて五井駅まで移動し、そこから小湊鉄道というローカル線で40分かけて高滝駅まで移動してから、徒歩で20分という都内から行くにはアクセスの厳しい場所に存在があります。非常に景観もよく充実した美術館なので2度目の訪問ですが、都内から行くには若干の気合いが必要です。
ユニディスプレイ
巨大で湾曲したディスプレイに24パターンの映像と音がランダムに投影され、永久に見ていられます。ディスプレイの両脇には鏡が設置されており、無限に続くような空間演出で、中央のベンチに 座って鑑賞すると音の振動がベンチから伝わり、さらに異空間感が強まります。パララックス、という展覧会の名前からもわかるように、多分に人間のパララックス(視差)を示唆した展示で、奥行きがわからなくなったり、直線が曲線のように見えたり、モアレが出たり、パララックスというより錯視と言ったほうが想像しやすいかもしれません。
こんな感じです。
錯視を巨大な空間で五感で楽しむような展示です。控えめに言って最高です。
パーティクル・ノイズ / フェーズ
ガイガーカウンターと連携して音が変化するパーティクルノイズ、光の動きをテーマにしたフェーズなど、他にも作品はありますがユニディスプレイの衝撃がすごすぎて感想は無です。
初手に大物の展示があり、そのあとの印象薄くなる、美術館巡りあるあるです。フェルメール見た後に、関連地域の画家の作品見せられても頭に入ってこないという例のアレです。
市原湖畔美術館について
建物自体も優美で洗練されていて、湖に隣接しているため雰囲気も良いんですが、併設のレストランにも最高があるので、お昼時とかを狙って行くといいです。
イワシが丸々乗ってるピザ
肉
うまい
終わりに
市原湖畔美術館のあと、せっかく市原まできたというのもあるのでいちはらアート×ミックス2017の関連施設も回って見たのですが、2014に同芸術祭を回っていたというのもあり、あまり楽しくありませんでした。ガイドブックも薄くなり、おそらくイベントも縮小されており、2014で問題になっていた交通の便や運営の問題も解決されておらず(むしろ悪化してる)ちょっと残念な印象。
とはいえ、芸術祭巡ってる時に感動できる作品に会えるのは1・2個程度なのは常なので、今回カールステン・ニコライ見れただけで大満足でした。
最高だった(語彙が失われています)ので、
ぜひ。
「燻製」「スパイス」「アミノ酸」に続く地雷としての「低温調理」
料理ができる男性
市場では比較的好感を持って受け入れられる傾向がありますが
女性の方
いいですか
その男性と料理の話をしている際に
「燻製」「スパイス」「アミノ酸」
というワードが出てきた場合
その男子は地雷の可能性があります
燻製であれば、チップのブレンドについての話をし始めたらやばく
スパイスであれば、ガラムマサラ・コリアンダー・クミンなどについて語るのはまだ良い方で
唐辛子の産地と辛味の傾向について言及し始めた場合はかなりの確率で爆発率が高く
アミノ酸であれば、イノシン酸グルタミン酸コハク酸とか話し出した場合
それはすでに爆発しているのかもしれません
そして
「低温調理」
が出てきた場合
すぐに避難しろ
それは地中にむき出しになった地雷であり
誘爆し踏まずとも爆発するそれだ
ここまでが前置き。
本題
ということで、低温調理に手を出しました。出してしまいました。
低温調理とは雑にいうと、タンパク質が変性して固くなる前の温度で時間をかけて調理することで
肉とか柔く食べられるよ、というそれです。
食材によって違いはあるものの、だいたい55度から68度くらいの温度をキープしつつ長時間かけて火を入れていきます。
専用の器具があります。
鍋の水温を一定に保つだけ、それだけの器具です。
これを所持している人には注意を払う必要があります。
実践
今日の物体です。
63度でだいたい1時間ほど。
熱は芯まで通っているので
BUYERのフライパンで少し焼くことでメイラード反応(地雷ワード)で旨味を増し
できます。
またひとつ闇を増やし
「燻製」「スパイス」「アミノ酸」「低温調理」
を注意喚起しましたが
すべて僕のことです。
たまごとにんにくのパスタ
このnanapiの記事を見て、たまごを使ったパスタを作りたいと思いました
イタリアのもう一つの「貧乏人のパスタ」目玉焼きを2つ作り1つを崩し1つは後乗せ、粉チーズをたっぷり和え黄身を絡めて食べる。イタリアおじさんが鼻歌歌いながら作る陽気で気軽なパスタ!豪華じゃなくても人生は素晴らしい。https://t.co/D8btyr4pqA#自炊nanapi pic.twitter.com/5s49mbpROG
— nanapi (@nanapi) 2017年1月16日
湯を沸かします
パスタを入れますがこのタイミングで塩を入れておくか否かと言う論争があります
僕は入れる派です
たまごを一緒に茹でます、めんどくさいから
ここらへんのスパイスをなんかうまいことアレして
あらかじめ絡めるやつをつくっておきます
ニンニク・オリーブオイル・鷹の爪があれば基本は勝ちですが、今回はバジルとか松の実とか入れてますね
なお、ここで登場するフライパンはアルミ製で、ほぼパスタ専用機ですが
アルミ製は熱伝導率が良く、ソースの色を確認しやすいので使っています
とかいう独身男性は地雷なのでおすすめしていません
あえます
できます
先ほどのたまごはここで活かされますが、白身の行方は不明です
料理を始めるとレシピを魔改造するという癖がありますが
美味しかったので良かったですね
2016年振り返り
2016年も残すところ数時間となり
ガキの使いが始まり大晦日感も深まってきましたので
2016年を振り返ります。
ですが残念です。
本稿のため、2016年を2時間ほど振り返ってみたところ
そこには振り返るべき事柄は無く
ただ無が存在しました。
よって本稿は無について自動記述するための掃き溜めとなります。
無とは?
(画像は無の概念図です)
無とは、Wikipediaという無の集積地帯によると、
1.物事が存在しないこと。絶対的虚無であり、存在論(有論)に立たず、言わば、「無論」に立つ。 2.物事が、ある状態の下にないこと。ゆえに、他の状態にはあることが含示された存在論に立つ。 引用:無 - Wikipedia
わかりますか?わたしにはわかりません。
無は存在します。あなたが無を思うときそこに無は存在するのです。
あなたは無ですか?
私は無ですが、無はあなたかもしれません。
無が無として存在するためにあなたの意識化における、もしくは無意識化における、一般的にいうところの魂の働きがあります。
時には脳科学の分野に立ち入る場合もありますが、魂の状態、これを崇高に高めることであなたは無に向かい、最終的には無になることができます。
無になるとは?
あなたの魂が無への指向性をもち、宇宙に遍在する無と一つになった状態をいいます。
学術的には、個人の中に存在する無を●、宇宙に遍在する無を○と記述することが求められているので、今後そのように記述します。
あなたの●が○と同一になった時、そこには質量が生まれますが、それを と呼称します。
そのとき個の存在は消えさりますが大丈夫です。
無と一体化した意識は膨張を重ね、やがて原理空間を産み、新たな○を生み出します。
●が◯と同一になった時に生まれる が新たな◯を産み、また新しい●を享受し、また を産むという優しい世界です。
無
あなたは無ですか?
そこには無がありますか?
2017年もよろしくお願いします。
2016年によく聞いてた音楽
2016年もそろそろ無となりますが、みなさんは無でしょうか?
私は無です。
無なので、iTunesの再生履歴を見つつ、よく聞いていたアルバムをまとめるという遊びをします。
公式にYoutubeあがってるものはソレをアレします。
雨のパレード 「You」
雨のパレードは「残響record Compilation vol.4」収録の「ペトリコール」が好きでよく聞くようになったのですが、内省的だったり、逆に音楽シーンを切り開いていくんだみたいな挑戦的な曲が多い中で、はっきりと「あなた」に向けて作られた曲で構成されているという印象です。表題曲「You」は雨のパレードの曲の中では一番好きです。
THE NOVEMBERS 「Hallelujah」
Youtube貼ったのは「黒い虹」という曲。ギターでぶん殴ってくる感がすごい。小林祐介さんの髪短い姿にまだ慣れませんが、もう孤高感すごい。
ART-SCHOOL「Hello darkness, my dear friend」
ART-SCHOOLのすごいところは25年間変わらずおんなじこと歌ってることだという持論があり、CDだとおとなし目の曲もライブだと全部爆音でやるので曲の区別がつき難いという経験があります。このまま突き進んで欲しいです。
Plastic Tree 「サイレントノイズ」
Plastic Treeはなぜか学生時代からずっと聞いていて、曲も好きなんですが有村竜太朗さんの歌詞が好きで聞いているというところもあります。表題曲のサイレントノイズもいいんですが、2曲目の「静かの海」が圧倒的に最高です。
有村竜太朗 「デも/demo」
流れでPlastic Tree ボーカルの有村さんのソロアルバム。貼ったのは「恋ト幻 / rentogen」という曲ですが、大好物であるPeople In The Boxの波多野裕文さんがアレンジしてたりします。ベースとドラムが元Chouchou merged syrups.だったり、ギターもte'のhiroさんだったり、もう有村さんは残響でやればいいんじゃないか説があります。ちなみにPeople In The Boxも、もともと残響です。
THE NOVEMBERS の小林さんが参加している曲もあり、好きなバンドの人たちが集結してるというのもあって、もしかしたらリリース後一番聞いてたかもしれません。そして有村さんは年齢という概念を超越してしまったという実感があります。
「VOCALOID Fukase」
アートロックの流れの中で、突然のボーカロイドですが音楽については雑食なので仕方ありません。「蘇州恋慕」は歌詞のキュンキュンする感じがたまりません。Fukaseさんはボーカロイドとして抽象化してしまってもよいのでは、という学びがありました。
Awesome City Club 「今夜だけ間違いじゃないことにしてあげる」
今年はこういうコンセプチュアルなグループが豊作だったという思いがあります。聞いてて楽しいは正義です。
04 Limited Sazabys「eureka」
どのアルバムも良いんですが、今作はもう全曲シングルでいいんじゃない感が強いです。
星野 源 「恋 」
星野源の楽曲については、だいたい右チャンネルの長岡亮介さんのギターの変態感を追いかけるという極端な楽しみ方をしていますが、すいません、逃げ恥はちゃんとみてません。でもすごく良い曲です。コード進行が結構鬼。
なんか性癖をさらしているような実感を得ました。
さようなら。
コーポレート・アイデンティティについて
この文は、年始に会社でコーポレート部門にデザインの話をするという機会が発生したため、せっかくだしコーポレート・アイデンティティ(CI)の話をしようかな、という安易な発想のもと書かれました。
わかりやすさ重視のため、学術的には不正確な表現を多用しますが、どうぞよろしくお願いします。
そもそもの話
CIの話をすると「ロゴガイドラインを守ってればいいんでしょ」みたいな話になりがちです。僕がデザイナーであるというのも悪影響してると思います。一貫したロゴやデザインを使用することは、CIをマネジメントする手段に過ぎず、本質ではありません。
CIとは
CIとはなんなのか?
CIは色々な分野で研究されていて、その研究分野ごとに少しずつ違う解釈があったりしてつらいのですが、ここでは単純に「企業の同一性」という概念のこと、として話を進めます。
もう少し崩していうと「企業の人格・立ち振る舞い・見た目・印象」のことです。雑にいうと個性です。
企業を人として考えるとわかりやすいと思います。人の個性は遺伝子と環境によって自然と作り上げられていくものですが、企業の場合は戦略的に意図的にコントロールする必要があります。
CIを構成する要素
諸説ありますが、理念・行動・シンボルの3要素が抽出できるかと思います。
理念
経営理念・企業理念・ビジョン・ミッションなどと呼ばれるものです。その企業が何を目指し、社会の中でどういう役割を担っているのか、明文化したものです。
いくつか例を。
アマゾンジャパン株式会社 地球上で最もお客様を大切にする企業であること
引用元:http://amazon-jp-newgrads.com/message
株式会社サイバーエージェント 「21世紀を代表する会社を創る」
引用元 : https://www.cyberagent.co.jp/corporate/vision/
鳥貴族 「焼鳥で世の中を明るくする」
引用元:http://www.torikizoku.co.jp/company/philosophy/
このように抽象度が高いものから具体的なものまで様々ですが、CIを考える上で最も大事な根本となる要素です。
ちなみに個人的に一番好きな企業理念は以下となります。
株式会社バーグハンバーグバーグ がんばるぞ
行動
企業内外での全ての行動のことですが、CI設計においては「働く人にこうあってほしい」という指針を作ります。これは企業文化を育てる最初の一歩となります。
この指針をもとに、企業内で働く人が行動をし、多様な価値観が混じり合い、時間をかけて社風が熟成されます。
こちらは理念に紐付いた形で、
- バリュー
- 行動指針
などを設定します。図らずも最も有名になってしまった、電通の鬼十則も行動指針の一種ですね。
企業内部への浸透を早めるために、できるだけ具体的に、数を絞って設定することが望ましく、最もマネジメントが難しいところです。
啓蒙・浸透度のチェック・見直しのサイクルを繰り返す必要があり、かつ企業のトップレベルからの強いメッセージが必要です。
シンボル
ロゴ・色などのビジュアル表現や、言葉遣いやキャッチコピーなど、雰囲気に関わるところまで含まれます。
例えばAppleのデザインは一見してAppleのものだとわかりますし、日本においては言葉使いも独特です。
MacBook Pro 指先に、さらなる才能を。
引用元:http://www.apple.com/jp/mac/
iPhone 7 これが、7。
引用元:http://www.apple.com/jp/iphone/
いさぎよさ。 これを「iPhone 7発売中!」とは書かないわけです。
これは企業としての立ち振る舞いを定めるものです。一般的にCIといえばビジュアル表現がピックアップされがちですが、あくまで一要素に過ぎません。
CIが必要なのはなぜか
ではCIが企業に必要なのかを、いくつかの観点で書いておきます。
経営戦略として
競合他社との差別化を行い、自社の価値を高めるためにCIが必要という話です。
こちらは前述のビジョン・ミッションなどが該当しますが、事業の拡大(もしくは縮小)のときにそれがCIとぶれていないのかというチェック機構となりえます。
前述の鳥貴族であれば、焼き鳥以外のものを焼き始めたら危ない、ということです。例が極端すぎますね。
企業ブランディングとして
こちらはわかりやすいです。こちらは前述のシンボルが該当し、繰り返し共通のビジュアルを使うことで、企業の認知を高めます。
リンゴのロゴ見たらApple、マクドナルドと聞けばMのマークと赤と黄色を想起するでしょう。
これは時間がかかりますし、デザインに対する一貫性と強い思いが必要です。
コミュニケーションとして
企業ブランディングとも関連しますが、企業としての立ち振る舞いを統一し続けることで、一定のイメージを定着させ、レピュテーション(長期的に構築される名声や評判)を得ることができます。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、一般的な意味で使われる「企業イメージ」として考えても良いでしょう(怒られそう)。
「堅そうな会社」 「先進的な会社」 「接客が良い会社」
このイメージは、ユーザーはもちろん、企業にも発生しています。企業が一貫した行動をとり、企業のイメージが事前にわかっていると、コミュニケーションが取りやすくなります。
人対人でも初対面は緊張する、というのと同じです。おそらく、会うたびに言ってることが違う人と一緒働きたい人は少ないので、終始一貫した行動をとるためにもCIは重要です。
他にもマーケティングの観点や、組織づくりの観点から書こうと思ったのですが、重複もあるし長くなりすぎたのでここらへんです。
まとめ
CIを考える上で大事なのは、理念・文化・シンボルであり、いわゆるビジュアル表現みたいのは手段であって目的ではありません。企業が人格をもって動けるために設計されるのがCIという話でした。
また、CI設計は間違えることが当然あるので、マネジメントが必要なものです。CIマネジメントについてはまた書きます。
それでは!