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not simple

デザインと言葉の実験です

こじらせに至る本、あるいは漫画

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

はてなブログのお題がこんなのになってたので、自分の人格や思考の形成に影響した本や作家を思い返してみたらそれはもう香ばしい感じになったのでシルバーウィーク最後の修行として書いておくことにします。漫画や哲学書など織り交ぜでいきます。全然1冊じゃないけどすいません。


思想的なそれら。

ツァラトゥストラかく語りき/ ニーチェ

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ニーチェで1冊、というとやはりこれかなと。学生時代に読んでだいぶこじらせた。ツァラトゥストラという人の言行録のような体裁をとっているので、哲学書だけど読みやすく、いろいろと解釈の幅があるのも面白い。最近読み返そうと思い佐々木中さん翻訳のを買ったけど、文体の力強さと読みやすさが素晴らしかった。哲学はニーチェ以前とそれ以降、と今でも思ってるし、個として思索を張り巡らせる時、見えない何かに頼りそうになった時にたち戻る。

不思議な少年 / マークトウェイン

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マークトウェインはトム・ソーヤーの冒険のような冒険譚を書いていた作家だけど、後期は彼自身を取り巻く環境から、この作品に代表されるような人間不信とペシミズムによった作品を書いている。ニーチェとつながる悲観的な人間への対峙。人間はくだらないけれど、思想する機能は素敵だ。他にも「人間とは何か」とか、人間は機械であるという論調とか多分に救いようがなくて素敵。余談だけど山下和美さんによる同名タイトルの漫画も好き。

HELLSING / 平野耕太

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圧倒的チートな旦那アーカードが主人公かと思いきや、実際はラスボスの少佐が主人公。少佐は「よろしい、ならば戦争だ」の元ネタの人。言葉の選び方や言い回しがなんかニーチェっぽいと勝手に思っている。絵もよいけれどセリフ回しが抜群で名言が多いのが特徴。「見敵必殺」は人生のキーワードです。

マネジメント / ドラッカー

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Amazonでエッセンシャル版しか発掘できなかった。20代前半の時に、今で思うとレベル高いマネジメントせざるを得なくなったので、すがるように何度も読んだ一冊。あくまでも経営学ではなく、ともすれば精神論とも思える内容だけれど、本質的な内容。ビジネス書に分類されるマネジメントや人にまつわる本は、この本も含めて、登場人物が「性善」であるという前提に基づいているため、実際に活用するには相当な工夫が必要、という気づきにもつながった本。


趣味的なそれら。

パノラマ島奇談 / 江戸川乱歩

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乱歩は大体読んでいて、選びきれないけれどあえて一冊というとこれ。乱歩的な要素、それは奇抜さだったりエログロだったり破綻したトリックだったり閉塞したコミュニティの陰湿さだったりするのだけれど、それらを集約したような作品。今でも奇怪なものや無秩序なものが好きなのはこれの影響がある。乱歩好き、っていう人とは話が合う気がする。仲良くなれるかは別として。

多重人格探偵サイコ / 田島昭宇

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乱歩好きから派生して好きだった漫画。多重人格、猟奇殺人、世界を股にかける地下研究組織など、中2病満載な漫画でしたが、現在は精神世界で主人公とヒロインが合体してゾンビをなぎ倒すというバイオハザードのような超展開に。新刊出る度に買ってるけどこれはもはや義務感のそれ。なんでもいいから早く完結して。


歴史的なそれら。

三国志 / 陳寿

三国志 - Wikipedia

はいりは父親が全巻揃えていた横山光輝の漫画。三国志演義という後世に脚色されたいわゆる一般的な認知の「三国志」の原典にあたるもの。この時期の中国の思想は儒教であって、三国志演義では正義の味方役の劉備とか今のモラルでは考えられないことしてるし、人肉をもって客をもてなすことが善として書かれてたり、実はけっこう刺激的。演義では雑魚だけど史実では活躍してる人も多く、そしてまたその逆も然りという感じで、歴史は確固たるものではなく不確実でかつ政治的な意図をもって編集されうるものだと確認できる書。ちなみにこの時代好きな武将は王平です。

BLAME / 弐瓶 勉

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ネットワークが発達しすぎた時代のSF漫画。最近復刻版が出たみたい。僕はこの人は漫画家ではなくSF作家だと思っている。一話丸ごとセリフがないとか「シドニアの騎士」とかよくわからないとかおっしゃる方は読んでみてください、もっとわからないから。中高生の時に主人公の名前をハンドルネームにしてた黒歴史思い出した。あ、今、なんか死にたいな、って思った。最近IoTとか言われてるけど、その先の未来を夢想する時に頭の片隅にある。


物語的なそれら。

ザ・ベスト・オブ・サキ / サキ

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スコットランドの小説家。おかしな設定、毒とユーモアのある短い作品を得意としていて、まるで残酷で救いようのない原典の寓話を読んでいるようなイメージ。日本でいうと星新一とかを思い浮かべるとわかりやすいかも。夜寝る前に読んで、目覚めたら忘れてるけど、なにか記憶の奥底にひっかかってる感じ。物語は説教的ではなく、解釈は多様性に満ちたものがよい。

not simple / オノ・ナツメ

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救いようのない人生の描写。だれも救われない。だがそれがいいブログのタイトルを拝借するくらいに好きな作品。


他にもそれこそ中学生の時にテレビ版でリアルタイムでみたエヴァンゲリオンとか、現在進行形で読んでるドロヘドロとか書こうとしたけど40000文字くらい書きそうなのでまた別で。どうみても中2病を患っています。

本当にどうもありがとうございました。