神の庭
これは神の庭の話です。
この庭の神はいつでも無口で不機嫌なので、使用人はいつでも神経質でした。
庭にはいくつかの美しいトチノキがあり使用人のレストルフはそれの手入れをしていました。 他の多くの使用人と同じようにレストルフは神経質で、トチノキがいつでも素晴らしい形状を保つように、それぞれの枝についている葉の数を同じにするほど気を使っていました。
また庭には美しく整備された芝生があり使用人のオッカムはそれを美しく管理していました。 レストルフと同じようにオッカムは神経質で、芝生がいつでも美しい緑を保つように、ひとつひとつの葉を手作業で毎日ふいていました。
ある日レストルフがいつもの神経質な点検を終えて、しばらくの休憩をとっている間に、庭の芝生を管理している使用人のオッカムがカミソリでトチノキの葉を切り落としてしましました。神の芝生に影ができていることに怒ってのことでした。
トチノキは枯れて、レストルフは管理不行き届きとして神の怒りに触れ、足を切り落とされてしまいました。オッカムもトチノキを枯らした原因を作ったとして、2度とカミソリを使えないように腕を切り落とされてしまいました。
時を経たずして、庭の芝生も台無しになってしまいましたが、神は新しいトチノキと新しい芝生の管理人を用意しました。 神の庭はたちまち元どおりになり、神の庭はいまも美しいまま保たれているということです。