not simple

デザインと言葉の実験です

感性と論理の話.design

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予約したiPhone7 Plusの入荷予定の連絡がこないので、iPhone7 Plusとは実在しない概念上の存在かもしれないという気づきを得たので表象としてのデザインの話をします。雑にいうと見た目のデザインの話です。

デザインについて、僕の思考のブームとして「感性と論理」みたいなところがあります。ブームというか常に考えていることが言語化され始めたというそれでもあります。

感性と論理

デザインは論理的に全て説明できる、という言説があります。

デザインは先人の優れた理論や原則に基づいてなされます。黄金比色相環認知心理学など、デザインの裏付けをしてくれる多くの知恵があります。

この観点でみると、デザインは「良い」「悪い」、あるいは「正しい」「間違い」という評価が可能で、デザインが不適切なことを指摘するのは容易です。

デザインが「悪い」は簡単にいえる

背景が真っ黒なときにその上にのせる文字が真っ黒であればそのデザインは「情報を伝えることができない」という意味で悪いデザインです。

食べ物を販売するウェブサイトでテーマカラーに冷たい水色や蛍光色のような黄緑を使えば「食欲や購買意欲を誘う色は暖色である」という意味で悪いとは言わないものの適切でないデザインです。

アンパンマンの色使いが紫であれば誰も彼をかじることはありません。

インテリアのカタログの写真が1cm x 1cmという大きさであれば、それを手にする人の「要望を満たせない」ので不合格となります。

スーパーのチラシが美しく整えられたHerveticaのような書体で作られていたらそれは間違いかもしれません。

デザインが「良い」はいうのは以外に難しい

一方でデザインが良いというのは、点の指摘になりがちで意外に難しいなあ、とも思っています。

全盛期のApple製品、例えばiPhone4あたりを例にしてあくまでも見た目の部分でいうと、フラットなカッティングだったり、マットな素材感だったり、コンテンツを邪魔しないミニマムなデザインが良い、と言えたりするのですが

それは点としての指摘であって、プロダクト全体としてなぜそれが良いデザイン、というのはロジックのみで語るのが難しかったりします。

デザインは全体の調和としてのそれであるので、点の積み上げで評価すべきものでもない、というのもあります。

デザインに関する感性としての「好き」「嫌い」

見た目のデザインに関しては「好き」「嫌い」というフィーリングとしての評価があります。

非常に主観的で評価する側の感性に依存するため、デザイナーはあえてこの表現を避ける傾向がありますが、個人的にはこの観点が大事だと思っていて

ちょっとロジックを外れていても、愛嬌のあるデザインは存在しますし、気に入らないところがあってもそれを上回る気にいるところがあれば「デザインが好き(良い)」という発言はできます。

デザインの評価をロジックのみで語ると、デザインの評価をデザイナーしかできない、という危険性もあります。

まとめ(られてない)

いろいろ書きましたが、どれだけロジックを積み立てても、好きという感情に勝てない、というのが本音です。

なんとなく、僕が反射的に良いデザインだなー、と思うのはデザインとしてやっちゃいけないこと(ロジックで排除できる部分)をした上で、その時々の好みに合致したものなんだろうな、と思いました。

iPhone7 Plus の入荷情報は届きませんでしたし、結論はありませんでした。