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not simple

デザインと言葉の実験です

デザインと言葉

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デザイナーとしてユーザーインターフェイス(UI)を考える時、画面に配置される各要素の言葉の取り扱い(ラベリング)について深く考える機会があり、僕の中で言葉を選ぶ時に明確な基準がいくつかあるという気づきがあったので書き残しておくことにします。

テキストはUIの最重要項目かもしれない

前提として、個人的見解なのですが、デザイナーはラベリングについて慎重に丁寧に時間をかけて熟考すべきで、デザインを考えている時間の8割はこれについて考えているほうが健全なデザイナーであると思っています。

僕はラベリングを考える時にふらふら歩きまわって考えることが多いのですが、おそらく社内の人には不審がられていると思われます。

例えばFacebookの新規投稿の未入力状態(プレースホルダー)は「今なにしてる?」ですが、これが「最近起こったことは?」や「昨日の思い出を残しましょう!」となっていたらFacebookというサービスの提供する価値や使われ方を変えてしまうのは容易に想像できます。それだけサービスやプロダクトにおける言葉づかいは重要だったりします。

以下、ラベリングについて大事にしていることです。

言葉づかいのテンションを定める

これが一番大事だと思っていて、サービスやプロダクトの目指す方向性による決めの部分が多分にあるところです。唯一ロジカルに決めることができないところでもあります。どれだけユーザーに馴れ馴れしく接するか、と言っても良いかもしれません。距離感というか。

例えばあるサービスの登録画面のボタンで考えてみると、

  • 登録する
  • はじめる
  • 今すぐはじめる
  • さあ はじめよう
  • 無料ではじめよう!
  • 今すぐ無料ではじめよう!
  • さっそくはじめてみる(永久無料)

極端で雑ですが、こういうパターンが考えられます。上から下に向かって作り手の押し付けを感じると思います。ユーザーへのどれだけ馴れ馴れしく接するかは、信頼感とのトレードオフで、慎重に決める必要があります。

作っている側はやっぱり使ってもらいたいので「今すぐ」とかすぐ使ったりするんですが「今すぐすぐ使っちゃう問題」と業界ではよく議題に上がります。嘘です。「無料」もよく使うんですが、こちらをつけると登録率が上がるのは知られている話です。こちらは本当。

話が逸れましたが、ユーザーへの馴れ馴れしさや距離感をどの位置に定めるかはとても重要で、これがサービスやプロダクトの言葉づかいの根底となります。

非言語化できないか意識する

言葉での表現を回避できないかを常に意識するのも重要と思っています。ラベリングを考える前に、ラベリングしなくても伝わらないかをちゃんと考える、ということです。

ピクトグラム(非常口のサインのアレです)に代表されるように、誰が見てもわかるような図形の表現に落とし込めれば最高なのですが、ハンバーガーメニューの例で言うように、なかなかうまくいかないのが常です。FacebookTwitterなど世界中で使われているアプリでも、ツールバーのアイコンの下に補助的にテキストをつけていたりします。Instagramは写真を軸にした非言語コミュニケーションなので、UI上のテキストをうまく排除できているように思います。

日本語特有の問題の回避

日本語はひらがなカタカナ漢字という複雑怪奇な編成のため、場合によってはとても読みづらく、かつ固い印象を与えることがあります。漢字で表現できることをあえてひらがなやカタカナにすることを「ひらく」と言ったりするのですが、

  • 下さい -> ください
  • 始める -> はじめる
  • 有り難う -> ありがとう

としたり、

  • 百万円 -> 100万円
  • 簡単 -> カンタン
  • 新規登録 -> サインアップ

などです。「登録有り難う御座いました。今後も弊社製品をご愛顧頂きます様宜しくお願い申し上げます」とかいわれると逆に胡散臭く感じるたぐいのそれです。

ユーザーの気持ちや状況を考える

ある画面を表示したときのユーザーがどういう状況を持って開くのか、文脈を考えてラベリングを決めることも大事だと考えています。

例えばLINEのような頻繁に使うメッセージングアプリで、メッセージ送信のプレースホルダーが「さあメッセージを◯◯さんに送りましょう!」だったら暑苦しい感じが強すぎるし、アイドルとチャットするサービスでメッセージ送信のプレースホルダーが「コメントする...」だったら熱量が少なすぎる可能性があったりします。言葉づかいのテンションとも相関しますが、ここらへんも大事です。

まとめ

言葉の使い方はデザインにとって非常に大事で、デザイナーは言葉と常に向き合うべきだなと思っています。

なんですが、稀にロジカルに測れない言葉の天才みたいな人がいるときがあって、そういう人と出くわした場合、まるっとお任せしてしまうのが最良だったりするので、そういう場合は向き合わなくてもいいかもしれないですね。

さようなら。