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デザインと言葉の実験です

若冲展が最高だった話

jakuchu2016.jp

東京都美術館で開催中の若冲展が、最高という感想しか出ないくらい最高でした。

4/29に行ってきました。だいたい30分待ちで入館できて、館内は混雑してましたが、自由に動けるくらいの余裕はありました。 展示作品は、MIHO MUSEUMをはじめとして、細見美術館、プライスコレクションからの展示もあり、生誕300年記念ということもあって世界の若冲が集結してる感あります。

特に感動した作品

どれも素晴らしい作品なんですが、強いて挙げると、

「旭日鳳凰図」

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これを見にきたと言っても過言ではない。何時間でも見てられます。

「紫陽花双鶏図」

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2006年の展示「若冲と江戸絵画」以来の再会。これぞ若冲

感想とか

個人的な感想ですが、若冲の特異性は執拗ともいえる緻密な描写と、それを実現する圧倒的な観察眼、そして緻密なのに写実的表現に至らない幻想的な印象だと思ってます。

今回の展示では、作品の一部を拡大プリントしたコーナーがあるのですが、肉眼では確認することが難しいほど細部が書き込まれてることがわかります。若冲といえば鶏...というほど鶏の絵が多く、描きこみもすごいのですが、鶏冠の描写など狂気すら感じます。

若冲は、観察のためにいろんな種類の鶏を飼っていたらしいですが、観察の結果、絵画に落とし込まれる表現は現実の模倣とは言い難く、写実的なのに現実的ではない不思議な感覚を与えます。また、若冲の好むモチーフとして、鶏、鳳凰、象、などがありますが、まるでデジタルコピーしてきたかのようにほとんどの絵画で同じ表情だったりして、それも不思議な感覚を与える一因なのかな、とも。今回展示もされている、一つの画面に多くの同じ表情の犬が描かれる「百犬図」とか、見ようによっては結構シュールだったりします。

まとめ

若冲最高。

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図録も出来がよいのでオススメです。