「意志のない蕎麦」
時々「意志のない蕎麦」を食べたくなることがあります。なにを言っているかわからないと思いますが、僕もわからないので整理してみましょう。 「意志のない蕎麦」とは何かを考えるときに、対称に「意思のある蕎麦」を考えてみると答えが見えてきそうです。
「意思のない蕎麦」とは
「意思のある蕎麦」は簡単にいうと高級店だったり、店主のこだわりが強く出て、粉や出汁にもこだわり、茹で方や食べ方にもこだわる、いわゆる良い方の蕎麦です。
「意思のある蕎麦」はそのこだわりのため、だいたい出前とかやっていないので、店頭に出前用のバイクとか食品サンプルなどがないことも一つの目安です。あと、だいたい照明が暗い。浅草あたりの名店とかは除きます(怒られを防ごうとしています)
では「意思のない蕎麦」は立ち食いとかそういう簡易に食べられるところかというと実はそうではありません。
最近の立ち食いそば、名店も多く、職場が渋谷近辺なので偏るのですが、渋谷だと「嵯峨谷」とか「信州屋」とか「渋そば」とか、きちんと作っているのに安く提供している、という点で「意思がある蕎麦」という持論です。
あ、ちなみに「富士そば」は「富士そば」を食べに行くところであってこの分類には含まれません。「富士そば」は「富士そば」です。ために無性に食べたくなる
さて、ここまできて「意思のない蕎麦」のだいたいの整理が可能になってきた予感がします。
- そんなにこだわりなさそう
- not 立ち食い
- 出前もだいたいあり
- 出前もやっているので地域性もある
まあいわゆる「街の蕎麦屋さん」なんですが、ちょっと油断すると「意思がある蕎麦」を提供する店にあたるので、少し掘り下げて考えてみました。関東の方は「増●屋」さんあたりを想像してもらえるとわかりやすいと思います。なお、「増●屋」は暖簾分けのシステムらしく、表参道「古道」みたいに、その名前を使っていてもすごい「意思のある蕎麦」を出してくることもあるので、こちらも注意が必要です。
あて、冒頭に「時々「意志のない蕎麦」を食べたくなることがあります。」と書きました。これは自分の中では整理があり、「あんまり肩肘はって食べたくないけど、そこそこうまく満足できる」みたいなお気持ちです。「うますぎるものを毎日食べると飽きる」って美味しんぼでも言ってました。
実食
最近もそういうお気持ちになり、前述の条件を完全に満たしたお店にフラって入りました。蕎麦だけ食べると栄養偏るという老いによる気持ちがあり、おかめそば(温かい蕎麦の上にいろんな具材をのせたそば)を頼んだのですが、以下が結果です。
見てください、これは完璧です。
まずはわかりやすく具材から見ていきましょう。
具材
- カニカマ
- かまぼこx2
- かまぼこ(飾り切りバージョン)
- 卵焼き
- ほうれん草
- お麩
- 水菜
なぜかまぼこを種類違いで3種類載せたのか?カニカマが蕎麦の具材としての適性は?卵焼きがすごい甘くてすごく調和しない...
まあ具材はオプションなので、本体を見ていきましょう。
蕎麦/出汁
蕎麦自体が完全に伸びていて腰がなく、おそらく茹で過ぎか、水でしめるのを忘れている?ものすごい勢いで伸びていくので、具材に手がつけられない...出汁は妙に甘く、卵焼きの砂糖が溶け出しているとしか思えない...- 節の風味...風味...
見てください、これが「意思のない蕎麦」です。
まとめ
皆さんもぜひ「意思のない蕎麦」を堪能していただきたいと思い書きました。 なお私は食後、若干体調を崩し自らの誤りに気付きました。
さようなら。