マグリット展@国立新美術館
行ったのはちょっと前だったんだけど、そろそろ会期が終了とのことで感想など。旅行ついでのものもあわせると、企画展は年に20以上はコンスタントにみているんだけど、久々に図録買ったくらいよかった。
感想など
シュルレアリスムは現実世界の通念や概念を度外視した世界観をあたかもそこに存在するかのような現実感をもって描き出して、その違和感や理解不能さを楽しむところに妙があると個人的には思っている。
その点でいうと、マグリットの作品は上述の楽しさの上に、視覚的なトリックの楽しさ、要は視覚情報に脳が騙される楽しさみたいなのものが加わっていて、シュルレアリスムの小難しい文脈なんて意にも解さないくらい強い印象と感動を与える、つまり体験として単純に面白い。
多分、彼の作品が作られた当時の鑑賞者とこの回顧展の鑑賞者ではコンテキストが違うから楽しみ方も違うんだろうと思う。見たことのない古典的手法へのアンチテーゼとして評価するか、シュルレアリスムはこんな感じと形成されたメンタルモデルの上で評価するか。
ただ、美術史的な背景を理解しないままでも、行ってしまえば子どもでも楽しめちゃう表現って、単純に強い。有名な「空の鳥」とか、後期で初期作品に回帰していった作品群とかが個人的には好み。
行くか迷ってるなら行ったほうがいい
6/29まで。オススメの企画展です。